チューリッヒ社:ハイブリッドクラウドでグローバルITインフラストラクチャを変革
顧客:
チューリッヒ・インシュアランス・グループチャレンジ:
- グローバルレベルでのITサービスデリバリーの改善
- 従来型データセンター環境のモダナイゼーション
- アプリケーション開発の促進
ソリューション:
- DXCハイパーコンバージドプライベートクラウドソリューション
- DXC Agility Platform™による ハイブリッドクラウド管理ソリュー ション
- DXCデータセンターサービス
結果:
- コストを30%削減し、プロビジョニング時間を48時間に短縮
- DevOpsを促進して開発を効率化
- アプリケーションの将来の変化に対応できるパブリック/プライベー トクラウドの導入
2004 年から続くDXC Technology とのパートナーシップのもと、チューリッヒ・インシュアランス・グループは、従来型のデータセンターアウトソーシングモデルを Platform as a Service モデルへ移行し、次世代のクラウド管理テクノロジーを活用することで、運用コストの削減と開発の短期化を進めています。
従業員が55,000 人を超える大手総合保険会社のチューリッヒは、170 か国以上の保険契約者に幅広いサービスを提供しています。
2009 年、チューリッヒとDXC は、チューリッヒが持つ9 か国のデータセンターとIT インフラストラクチャをサポートするグローバルアウトソーシング契約を締結しました。当時、この契約は保険業界における最大級のIT インフラストラクチャのトランスフォーメーションを目指すものとして評価されました。事実、チューリッヒとDXC は、National Outsourcing Association(NOA)のInternational Contract of the Year Award を2014 年に受賞しています。
チューリッヒとDXCの関係は、両社で構成するステアリングコミッティにより管理されています。このコミッティは、チューリッヒのITトランスフォーメーションのあらゆる側面を戦略的に管理します。最初の大きなIT プロジェクトの1 つは、チューリッヒのEMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)地域のデータセンター、および他の各国でDXCと締結されているサービス契約に含まれる3,000 台のサーバーを更新するというものでした。これは、2 年にわたる非常に複雑なモダナイゼーションの取り組みでした。
チューリッヒのIT インフラストラクチャのグローバル責任者であるトーマス・クロップ氏は次のように述べています。「私たちは協力して、チューリッヒのIT インフラを構成する各要素のモダナイゼーションに取り組みました。この取り組みは、大規模なトランスフォーメーションプログラムで継続されています。これまでに、このモダナイゼーションによりシステムの安定性は大きく向上し、コス トが大幅に削減されました。現在CSC(現DXC)は、プライベートクラウドの更なるトランスフォーメーションを実現しようとしています。これは、ハイブリッドで拡張性に優れた共有IT インフラの確立を後押しする、エキサイティングな取り組みです。」
クラウドオーケストレーションの一元管理
多くのグローバルなIT 組織と同様に、チューリッヒでは、パブリッククラウドによるSoftware as a Service(SaaS)の専門的な各種アプリケーションに加えて、従来型のメインフレームとx86 環境で稼動するさまざまなアプリケーションを管理しています。現在は、増え続けるこれらのアプリケーションをプライベートクラウドへ移行し、クラウドオーケストレーションのプラットフォームで一元管理しています。
チューリッヒのサービスデリバリー&インテグレーションの責任者であるクリス・ロジャズ氏は、次のように述べています。「ここ数年の当社の飛躍的な進展が、CSC(現DXC)とのパートナーシップによって起こるイノベーションの必要性を十分に示しています。私たちは、当社にとって今でも非常に重要であるメインフレームといった従来型の要素とクラウドを両立させる必要があります。CSC(現DXC)との契約により、私たちは従来的な要素の維持とイノベーションの両立を支援してくれるパートナーを得たため、これらを他のベンダーに求める必要はありません。」
チューリッヒがこうした環境を統合できるよう支援するため、DXC は基盤となるハードウェアを可能な限りDXC Agility Platform ™に置き換えました。DXC Agility Platform ™は、新しいIT インフラのプロビジョニングやクラウドオーケストレーション、ガバナンス、セキュリティの設定を行う操作性に優れたツールを含むプラットフォームです。またチューリッヒは、DXC のプライベートクラウドへも移行しました。DXC のプライベートクラウドは、拡張性とセキュリティ要件を低コストで実現するソフトウェアデファインドデータセンター(SDDC)ソリューションです。
30% のコスト削減
DXC Agility Platform は、チューリッヒの新しいプライベートクラウドに接続され、その数時間後には新しいプラットフォームでのアプリケーションの稼働を開始し、30% のコスト削減を成し遂げました。また、新しいITインフラのプロビジョニングに要するリードタイムは数週間から48 時間に短縮されました。
ロジャズ氏は、次のように述べています。「私たちはプロビジョニング時間の劇的な改善を目の当たりにしました。私たちが行っているのは単なる仮想サーバーのプロビジョニングではありません。その他の技術環境やアクセス管理環境に統合され、開発者の使用に適した仮想サーバーをプロビジョニングしているのです。私たちは、Infrastructure as a Service ではなくPlatform as a Service を推進しています。」
DXC Agility Platform は、アプリケーションを変更しなくてもパブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドの間でワークロードを移動できる、アプリケーションブループリント機能を備えています。この機能が、チューリッヒでの高度なインテグレーションを実現しています。
ロジャズ氏は、次のようにも述べています。「私たちは、Agility Platform を使用し、プライベートクラウド環境とx86 環境の両方でリソースをプロビジョニングしています。これは重要なことです。なぜなら、他の環境へのプライベートクラウドの統合や、環境間でのアプリケーションとワークロードの移動が、はるかに容易に実現できるからです。」
ワークロードの移植性の確保
ワークロードの移植性は重要であるとロジャズ氏は述べます。「高度にブラックボックス化されているものや、ベンダーが独自にインテグレーションを行ったソリューションには非常に気を付けています。慎重に考えないと、従来型システムの場合と同様に、クラウドソリューションに囲い込まれるおそれがあります。」
DXC Agility Platform ではIT インフラのセルフサービスプロビジョニングも可能です。IT チームは、サービスカタログから必要なものを選び、プロジェクトを速やかに開始し、DevOps を取り入れた効率的な開発サイクルを実現できます。
クロップ氏は、次のように述べています。「CSC(現DXC)には長年にわたるクラウドの実績があり、完全に自動化されたシステムを提供してきました。この実績が、私たちのサーバーのプロビジョニング時間の短縮を実現し、DevOps を取り入れたアプリケーション開発を可能にしています。当社のプロジェクトチームは、1 つの統合されたサービスカタログの中から、調達プロセスやセキュリティプロセスなどを含めたプライベートクラウドサービスを数時間以内にオーダーすることができるのです。」
ロジャズ氏はさらに付け加えました。「適切なIT インフラが適切な費用で、適切な場所にあることは重要です。Agility Platform はそれを適えてくれます。」