Makkah Region Development Authority(MRDA)社:メッカ巡礼の安全性とセキュリティを向上
Customer:
Makkah Region Development Authority (MRDA) 社チャレンジ:
- メッカ巡礼で世界で最も混雑する地下鉄路線の過密状況の緩和
- 巡礼者の安全性とセキュリティの強化
- 従業員の管理
ソリューション:
- イベントを監視し、リアルタイムのデータおよびアナリティクスを提供する24×7 体制の群衆管理統括センター
- 英語およびアラビア語をサポートするマルチユーザーテクノロジーシステム
- 従業員の総合的なトレーニング
結果:
- 世界最高水準の安全性、セキュリティ、群衆管理システム
- ハッジ ( 大巡礼) およびウムラ ( 小巡礼) 巡礼者にエンドツーエンドのエクスペリエンスを提供するモバイルアプリケーション
- 2,300 万箇所のデータポイントからデータを収集、分析し、実用的な情報を提供するシステム
MRDAによるメッカ巡礼の安全性とセキュリティの向上
ハッジ ( イスラム暦の12 月に行われる巡礼) の5 日間で、200万人近くの巡礼者がイスラムの聖地を訪れます。ハッジ巡礼期間のみ運行される地下鉄、Al Mashaaer Al Mugaddassah Metro Southern Line (MMMSL) は、マスジッドアルハラーム、アラファト山、 ジャマラート、ミナなどの聖地間で、ピーク時には1 時間で72,000 人もの乗客を運びます。サウジアラビアのMakkah Region Development Authority (MRDA) が直面した課題は、群集を障害なく継続的に移動させ、彼らの安全とセキュリティを強化し、各駅およびプラットフォームで輸送を監督する7,500 人の従業員を監視することでした。
MRDA がDXC Technology に依頼したのは、「スマートクラウド (smart crowd)」ソリューション ( 世界最高水準の巡礼者の安全性とセキュリティ実現のためのシステム) の構築です。この大規模で広範囲にわたる課題には、革新的なアプローチに基づく先進的な計画が求められました。回避策の選択や迅速な緊急対応の実施には、リアルタイムの情報が極めて重要でした。
群集管理
DXC は、巡礼者輸送システム、およびスタッフ管理システムをサポートするために、英語とアラビア語による2 か国語対応のアプリケーションを含む、マルチユーザーテクノロジーソリューションを設計および実装しました。DXC は、イベントを監視し、リアルタイムデータのアナリティクスに基づく最新情報を、MRDA およびそのスタッフに提供する、24×7 体制の群集管理統括センターを設立しました。また、DXC はきめ細かいトレーニングも提供しています。
MRDA は、巡礼期間中、数千人の公務員、警備員、および医療専門家を配備して、群集管理を強化する一方、地下鉄システムを使用して車両および巡礼者の安全な輸送を管理する職員も雇用しました。
2 か国語対応のスタッフ管理および巡礼者輸送アプリケーションシステムを構築した主な目的は、次のとおりです。
- ハッジ関連の駅員の出勤状況と所在地を把握する
- ハッジのグループリーダーの所在地を追跡する
- 駅員およびグループリーダーに、出退勤 ( 労働時間の記録)、列車のダイヤ、スタッフの勤務表、およびメッセージの送受信などの主要な機能を提供する
- 医療、火災、浸水、脱線、またはその他の緊急事態において、第一応答者への通報を可能にする
- スタッフ、スーパーバイザー、群集管理統括センター、および駅管理センターの間のやり取りを容易にする
- 地下鉄の駅における様々な作業を担当する、地域および海外の請負業者によって提供されるスタッフ配置の精度を改善し、雇用された運営スタッフの人数を管理する
群集管理統括センター、高度なアナリティクス、およびモバイルアプリケーションを使用することで、MRDA の管理者は初めて、移動スケジュール、およびスタッフ配置を簡単に追跡し、クリティカルな変化やインシデントの発生時にタイムリーに通知を送ることができました。」と述べています。
将来的な機能
DXC が設計したこのシステムは、柔軟性および拡張性があります。新たに強化される機能では、地上通信を促進し、メッカの巡礼地間の連携を促すことで、MRDA が計画する次の10 年のニーズに対応します。テクノロジー非依存のアプローチによるグローバルな経験を積み重ねるDXC は、様々な業界における数百もの事例からベストプラクティスを構築し、シームレスな最新のソリューションを提供しています。
DXC 独自の専門知識は、先進のテクノロジー、科学、および実績あるプロセスの画期的な組み合わせにより、安全性とセキュリティを向上しつつ、世界中の群衆管理のニーズに適用することができます。
Maruf Majed 氏 (DXC のアジア、中東、アフリカ (AMEA) 地域のバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー) は、「ソリューション思考の考え方、および革新的なテクノロジーを適用して従来のエクスペリエンスを高めるには、微妙なバランスが必要です。当社は、MRDA とパートナー関係になり、クラウド、ビッグデータインテリジェンス、およびアナリティクスのメリットを提供することで、数百万人の巡礼者によるメッカ訪問の安全性向上に貢献できたことを誇りに思います。マレーシア、シンガポール、サウジアラビア、およびUAE [ アラブ首長国連邦] のDXC チームは、8 週間の間、24 時間体制で活動し、インフラストラクチャのセットアップの初期段階から、システム実装、引き渡しを含め、この注目度の高いプロジェクトを完了しました。」と述べています。
DXC はそれ以来、iOS およびAndroid 用に「iHajj」と呼ばれるモバイルアプリケーションを提供しています。主な機能には、詳細スケジュール、聖クルアーン、祈りのタイミング、カアバの方角、巡礼の旅のトラッカー、家族および友人からのドゥア ( 嘆願) の依頼の受け取り、および近くのアクティビティを探すのに役立つ拡張現実 (AR) が含まれます。