DXC Technologyが人事サービスデリバリを ServiceNow で統一
Customer:
DXC Technology社内事例チャレンジ:
- 大規模な合併後、DXC全従業員に直感的で操作性の高い一貫性のある人事サービスを提供
ソリューション:
- サイロ化された既存システムをServiceNowのソリューションにリプレースし、従業員による問い合わせや申請、ナレッジの検索、人事担当者とのチャットを可能にする一元的なサービスセンターを構築
結果:
- 導入から数カ月で既存の人事サポートシステムを廃止し、年間のシステムサポート費用の二倍に相当する大幅なコスト削減を実現
- Now Platformの柔軟性の高い機能と、DXCの世界中で展開してきた大規模なServiceNowの導入実績と幅広い経験により、10万人を超える従業員に直感的な人事サービスを提供して一貫性のある一元的な人事サービスデリバリソリューションに移行
お客様に最適なデジタルトランスフォーメーションを実現するDXC Technology
DXC Technology は、世界トップレベルの独立系ITサービス専業企業です。その技術的な独立性、グローバルな人材、ServiceNowを含む幅広いパートナーネットワークによって、民間企業・公共セクターを含む世界70カ国6,000近くのお客様をご支援しています。
DXC Technologyの人事サービスデリバリに求められた合理化と最新化
2017年にCSCとHewlett Packard Enterpriseのエンタープライズサービス部門の合併によって誕生した DXC Technologyは、人事 (HR) サービスデリバリの統合を必要としていました。
合併の成功には綿密な計画と実行が不可欠です。DXCは早い段階で、成功のためには効率的で一貫性のある直感的な人事サービスの提供が必要であると判断しました。合併後に同社を待ち受けていたのは、国別のさまざまな人事プロセスや、複数の既存人事サービスデリバリの存在でした。
DXCの人事シェアードサービス部門の責任者であるManish Gurnani氏は、「当社の従来の人事サポートシステムはあまりにもコストが掛かり過ぎているうえに、従業員が求めるサービスを提供できていませんでした。例えば、非常に多くの従業員が依然として時代遅れの電話ベースのシステムを使っていました。すべての従業員に『one DXC』というエクスペリエンスを創出するために、当社には一貫性のある使いやすい人事サービスの構築が必要でした。また、既存システムの移行サポート契約終了までにシステムを迅速に刷新する必要がありました」と述べています。
費用対効果の高いServiceNowの単一プラットフォームを活用して、各国のニーズに対応
DXCは、世界中の従業員に人事サービスを提供する新しいプラットフォームとしてServiceNow® HR Service Deliveryを選択しました。DXCが必要としていた、様々な国や言語や慣習をまたがる、多様な人事プロセスに対応できる単一なソリューションの迅速な導入が可能であったためです。
「当社の様々な課題に対応できるソリューションは、ServiceNow® HR Service Delivery だけでした。また、ServiceNowはDXC のパートナーでもあったので、ソリューションの全社的な導入を円滑に進めるために必要なスキルも社内にすでに備わっていました」とGurnani氏は話します。
ServiceNowの導入時に得た技術や方法論を活用して、本番稼働を記録的な早さで実現
DXCはServiceNow® HR Service Deliveryの導入からわずか17週間で本番稼働を実現し、さらにその後14週間で、DXCの全世界の従業員が同システムを利用できるようなりました。この迅速な展開により、DXCは従来の人事システムを廃止して年間のシステムサポート費の二倍に相当する大幅なコスト削減を実現しました。
Gurnani氏は、ServiceNowを世界中で導入してきたDXCの実績とNow Platform®の柔軟性の高い機能の組み合わせが、この迅速な導入の成功要因であると述べています。「DXCの ServiceNow サービスチームは、初期のワークショップの頃からビジネス成果に焦点を当てており、導入実行段階に入った時には、技術的な問題はすべてクリアし、組織の変更管理、従業員へのコミュニケーションやトレーニングなどに焦点を当てていました。このように周到な準備ができなければ、全社的な規模での円滑なソリューションの導入はできません。ServiceNowの ソリューションの導入に成功したDXCの根本的な要因はそこにあります。」
ServiceNow は各従業員に、直感的で操作性の高いセキュアな人事サービス体験を提供
現在DXC の従業員に提供されている、あらゆる人事サービスに最適な単一の直感的なポータルであるServiceNow® Employee Service Centerは、各従業員の所属地域、職位、職種に適応する反復的な統合プラットフォームです。従業員は、人事ポリシーや手続きに関する膨大な情報のオンライン検索、問い合わせや申請、各種人事サービスが格納されている総合ライブラリからの必要なサービスの選択、きめ細かいサポートが必要な際の人事担当者とのライブチャットなどすべてをServiceNow® Employee Service Center経由で処理できます。
「ServiceNowによって、統合された直感的で反復的な人事サービスデリバリを提供できるようになりました」とGurnani氏は話します。また、ServiceNow® Employee Service Centerは社内だけではなく、入社前の就職内定者、元従業員や業務を委託されている外部業者などの社外関係者もアクセス可能であり、個人情報の漏洩防止策が施されたEU一般データ保護規則(GDPR)に準拠するセキュアな環境で様々な人事サービスを利用可能です。
ServiceNowのインテリジェントなルーティングにより、Tier1の人事サポートグループの間接費を削減
従業員が問い合わせやサービスリクエストを送信すると、ServiceNow はその内容に応じて適切な人事サポ―ト担当者やチームにリクエストが届くようにルーティングします。この自動ルーティング機能によって、DXCではTier1の人事サポートグループが必用なくなり、結果としてコスト削減とサービス提供時間の短縮が可能になりました。また、問い合わせやサービスリクエストを行った従業員は、その処理が完了するまでの間いつでもそのプロセスをトラッキングし、進捗状況を知らせる通知や、担当の人事サポートチームから提示された解決方法の受理や拒否をすることが可能です。
継続的なサービス改善や従業員の満足度向上に必要な、人事サービスの可視化を実現
ServiceNowのソリューションを使い慣れてくることに伴い、DXCは従業員に提供する人事サービスの品質向上に継続的に取り組めています。結果、 DXCがServiceNow® HR Service Delivery を導入してから従業員の満足度は大きく上がり、上昇を続けています。
Gurnani氏は「まだ完璧な体制からは遠いですが、ServiceNowを導入してから、すべての人事サービス業務におけるライフサイクルの可視化か進みました。その結果、課題をプロアクティブに洗い出して改善を図ることができるようになりました。例えば、ある特定のトピックに対して、従業員から1日に1,500件の問い合わせを受けていることがServiceNowを通じて分かりました。ServiceNowのシステムに集まった問い合わせ内容を分析することで、この問題の根本原因を突き止め、その解決に向けた抜本的な対策に取り組めたのです。今では、そのトピックに関する問い合わせは取るに足らない数にまで激減しています」と説明します。
Gurnani氏は更に続けて述べています。「問題を抱えている個々の従業員の特定も可能です。例えば、過去2週間に5件の問い合わせを行った従業員がいたとすれば、その人には恐らく何か大きな問題があるはずです。そういった従業員を見つけた場合、こちらから連絡を取り、サポートを提供します。このように、ServiceNowは私たちに今何が重要かを示してくれます。先程のケースの場合は、きめ細かいサービスが最も大きな効果を上げる相手は誰かを教えてくれて、それに集中できるようにしてくれます。このケースなどは正に、ServiceNowの自動化機能があるからこそ提供できるようになった質の高いサービスの好例です」
結論
DXCによるHR ServiceNowへの移行は、人事サービスに大きな変革をもたらしました。DXCは長く利用されていた様々な従来システムから10万人を超える従業員を解放し、直感的な人事サービスを提供する、一貫性のある単一のServiceNow® HR Service Delivery にタイムリーに切り替えることに成功しました。短期間にここまで展開できたのは、Now Platform®の柔軟性の高い機能と、大規模なServiceNow導入プロジェクトを数多く手がけてきたDXCの豊富な経験によるものです。DXCとServiceNowはこの強みを発揮し、今後も人事サービスの改革を推進するお客様をご支援していきます。