自動車の電子制御を担うElectronic Control Unit(ECU)。ECUに書き込む「HEXファイル」は、少しの不整合が重大な影響を及ぼします。近年の自動車制御システムの大規模化は、ECU間の依存関係を一層複雑化し、テストの手戻りや進捗の遅れを招いています。
DXC HEX Management Service(DXC HMS)は、自動車一台分のHEXファイルを正しい組み合わせで「残せる・探せる・理解できる」ようにすることで適合・計測の手戻りを削減する、協調・統合制御開発の時代に必須のパッケージソフトウェアです。
HEX 管理の主な課題
自動車の協調・統合制御開発において、メーカーは以下のような課題を抱えています。
- パラメーターのバリエーションとECUの組み合わせが爆発的に増えたため、依存関係を踏まえた評価が極めて複雑化し、ユニットやドメイン単位での管理では対応できなくなっている。
- 適合業務のマイルストーンとパラメーター・仕様などの情報が紐付けて管理されていないため、正しい組み合わせがわからずに、 計測やテストの手戻りが多数発生している。
DXCのアプローチ
DXCは以下のアプローチによって上記の課題を解決するために、DXC HMSを開発しました。
- 車一台分の一元管理&多様なビュー:作業場面に適した見え方を提供
- マイルストーン&成果物と関連情報:各時点の正しい組み合わせを管理
DXC HMS が実現すること
- 車一台分を一元管理
全ての機種のHEXと関連情報をマイルストーンごとに全社で共有 - 現場のやり方を生かしながら、管理を省力化
ドメイン個別の分業プロセス、現場ごとの管理手順に柔軟に対応、省力化 - トレーサビリティ
「どんな経緯で、なぜその値なのか?」を関連情報とともに記録し、追跡可能に - より競争力のある開発管理へ活用するための基盤
開発プロセス自体の改善に活用できるデータを蓄積、より広い範囲で利用できるスケーラビリティを提供
DXC HMS の特徴
- ASAM HMS 標準に準拠
HEX管理業務に必要なあらゆる機能を提供し、日々の適合業務をサポートします。さらに、ASAM標準APIによるシステム連携が可能です。 - オープン性
管理している情報をWeb Service APIによりサービス提供し、BIツール、EXCEL、内製ツールなどとのスムーズなデータ連携を実現します。また、実績豊富なオープンソース技術を活用することで、開発リスクを低減します。 - オンプレミス・クラウド両方に対応
高いセキュリティレベルを維持しながら、早期導入を実現します。外部サプライヤーと統一ツールでの協働を迅速に開始できます。 - 会社全体に活用しやすいライセンス体系
ユーザー数だけでなく「拠点」単位でもライセンスをご提供します。 - 拡張性・将来性
プロジェクトの変化に沿って、柔軟なスケールアウトが可能です。また、日本の開発現場の要望をふまえながら、継続的に機能を拡張しています。 - 最新のモダンWEB 技術を採用
シングルページアプリケーションにより、高度な表現と高速な表示を実現。 - DXC テクノロジー・ジャパンが開発
日本の適合業務の現場で培った知見を徹底的に注入しています。
より詳細な機能などについては、DXC HEX Management Serviceのパンフレットをご確認ください。
SUMS(Software Update Management System)法対策にもご活用いただきたく、詳細についてはこちらのブログ記事をご参照ください。
DXCテクノロジーはASAM (Association for Standardization of Automation and Measuring Systems: 自動化システムと測定システムの国際標準化団体)のメンバーとして、HMS標準規格策定に参加しています。
メンバープロフィール:DXC Technology Japan(英語)